2012年2月13日月曜日

Sibeliusのヴァイオリン協奏曲

今ちょっとマイブーム(古い?)だ。理由は後述として、このとっても難しそうな曲、まずはパールマンの演奏で聴いた。20年以上も前だが、それこそオケをバックに歌えるほど聴いたと思う。カセットテープだったので、もう聴けない。技巧的な曲を技巧を前面にして颯爽と弾く... なんてカッコいいんだろうって当時は思ってた。

CDでは、五嶋みどりさんの演奏を持っている。パールマンの演奏と比べると、五嶋みどりさんは対照的に叙情的。それでも3楽章は音楽より技巧が (完璧とはいえ) 上回ってる感じがした。

ごく最近ではN響アワーで、○○▲子さんの演奏を聴いた。素晴らしいテクニックだけど○○さんでも難しいんだろうなと思った。

さて、この曲、一般的な知名度では上位とは言いがたいかも知れない。が、1楽章のあの寒々とした風景が見えるような出だしといい、オケの重厚な響きといい、また幻想的なメロディーの織りなす世界といい、確かに大傑作だと思う。初版による初演は批評もイマイチだったらしいが、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の初演を聴いて、負けじと書き直したんだそうな。ソロの難しさについては、あるヴァイオリン弾き(前田知加子さん)によると、
 バイオリンのテクニックの面からは大変な難曲です。簡単にその度合を申し上げると、私の個人的感覚ではメンデルスゾーン、ブルッフの8倍、チャイコフスキーの5倍ぐらい、ブラームス、パガニーニ、バルトークよりも更に難しいというのが実感です。    ですと。

同じ音楽を聴いても、年月を経てることで好きな演奏のスタイルが変わるのはよくあること。今の一番のお気に入りは、内山優子さんの演奏だ。音源は一般化されてないので明かせないが、Blu-ray Discで届いた。びっくりした...と言っていい。演奏は若さに似合わぬ堂々たるものだが、なぜか技巧が耳につかない。3回続けて聴いた。計1時間45分が、何故だかあっという間。そしてその作り出す情景は、なんと今まで経験したどの演奏より鮮やかだったのだ。そして感心した。きっと演奏家にとって技巧を誇張せず音楽に内包することは、さもきらびやかに表現するよりずっと本質的で難しいことのハズ。だから

周南市の皆さん、今年の8月をお楽しみに! シベリウスの協奏曲が内山さんの生演奏で、聴けますよ!