1曲目のカッチーニのアベマリアは、以前にもここで書いたように内山さんの演奏で聴かせていただき好きになった曲なんですが、今回は青を基調としたやや暗めのライティングの中での祈りにも通じる透明感のある演奏で、この曲のもつ独自の美が余すことなく表現されていました。うっかり聴くと涙が出そう?
その他、ロスマリンやラルゴ、チィゴイネルワイゼン、ロンドンデリー、ユモレスクetc.ですが、どれも人がバイオリンを弾いているというよりも、(怒られそうだけど)バイオリンがかってに内山さんの傍らで気持ちよく歌っている錯覚におちいりそうでした。そして、そんなポピュラーな曲を弾かれてもやはり内山さんはクラシックの弾き手であり、磨きぬかれた1音1音を楽しめるクラシックのコンサートなのです。1杯の水が一流料亭のあり方を具現するようにね。
来年8月には周南市文化センターでシベリウスのコンチェルトを弾いていただけるとのこと。とっても楽しみですね。