さて一回聞いた感想ですが、内田さんの演奏スタイルはいつもながらの音をひとつひとつ置いていく感じで、力強さはやや欠けるけど個人的には好きです。このCDでも24番の1楽章のピアノの出だしの2音だけでも、内田さんらしさがよく出ていますね。ピアノから出た音を、出たあとも見とどけようとする厳しいけど暖かい視線を感じます。テンポは普通かやや遅めくらいでしょうか。オケとのバランスもいいと思います。
ただ24番の3楽章についてはハスキルの演奏のほうが好きかな? ハスキルの演奏では音が何に支配されるでもなく自由にあちこちを転げ回ったり、重なりあって細い糸の上を綱渡りしながらはしゃいでいる様がみえます。聴いている方は結構ハラハラします。そう、まるでMozart本人を見ているかのように...
それやこれやでこのCD、23番の方がすんなりと受け入れやすかったです、自分には。 こういう演奏スタイルなら是非27番を聴いてみたいなあ。